顔のない人間
僕には顔がない
人に自分がどんな人間であるかを印象付けられるような個性や独自性、
優れた特技や特徴といったものがない
体裁良く作り上げた仮面すらもない
人前ではただ愛想笑いを浮かべているだけの、気味の悪い人間だ
幼いころはそれでもよかった
誰かが構ってくれたから
だが大人になってしまった今では、それは人との断絶を生む
知り合った人からは相手にされず、かつての友からは忘れ去られる
誰もに忘れられたとき、顔のない人間は死ぬ
生きながらにして、ひっそりと死ぬ
もはや誰かに思い出されることもない
写真に浮かぶぎこちない笑みは、人の目には映らないのだろう
僕は自分自身を憎む
鏡に映る得体の知れないモノを蔑む
僕は欲しい
人と繋がり合える顔が、人の記憶に刻まれる顔が、本物の顔が
- [2008/01/06 19:55]
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